矯正中の金管楽器吹き、どう乗り越えた?

歯科矯正

トロンボーンと歯並び

金管楽器を吹く上で、歯並びや骨格の影響はとても大きいです。
私自身もとても悩み、壁にぶち当たり、
どうしたらトロンボーンがもっと楽に楽しく
そして上手く吹けるようになるかを考え、
19歳の時に下あごの手術、歯科矯正を1年弱経験しました。


私と同じように歯並びのせいで楽器が上手く吹けないと悩んでいるあなたに、
少しでも役に立ちたいと思い、自身の経験を伝えていきます。

管楽器の歯科矯正でも治らない?!

私は音大に入る前、顎の骨格、歯並びの悪さがコンプレックスでもあり、
楽器の奏法に影響していると感じていました。
特に高音域が苦しくて出しにくかったです。


当時は、下あごが少し前に出ていて、
大きめの骨格に対して歯が小さく隙間が目立つような歯並びでした。
音大に入ってすぐ、東京にある管楽器専門の矯正歯科医院を紹介してもらい、
診察してもらいました。
ミューズ矯正歯科 https://dr-muse.com/

こちらの歯科医院では、ワイヤーを歯に着けた状態でも
楽器が吹けるように工夫がされていて、
先生自身もホルン吹きということで、
悩みや不安に寄り添ってくださり、安心感があったのをよく覚えています♪

レントゲンなどで検査した結果、
わたしの場合は、歯よりも下あごのずれが根本原因だと分かり、
下あごの骨の手術を勧められました。
ただし、管楽器奏者があごの手術をするのは、麻痺が残る場合もあり
基本はおすすめしていませんと言われ悩みました。
歯列矯正のみだと完全には治すことができない上に、
3年はかかると言われたこともあり、悩んだ末、手術を決断しました。

「もし手術して楽器が吹けなくなってしまったら、そういう運命だと受け止めよう」
そんな人生をかけた選択でした。

音大1年生でまさかの下あごの手術

大学1年の夏休みを利用して、都内の病院に10日間入院し、
全身麻酔による手術をしました。
人生で初めての手術で、それはそれは壮絶な体験でした!
麻酔から覚めた時、あまりの痛さに号泣したのを覚えています。

術後は顔はパンパンに腫れ、顔を包帯でぐるぐる巻きにされ、
お見舞いに来た人からは「メロン(贈答用)みたい!」と言われました^^;

そして2週間は顎間固定といって、
顎が動かないようにワイヤーにゴムをひっかけて
固定するので、めちゃくちゃ痛いし、話しづらいし、
ごはんはすべて流動食でした。。

あまりの痛さに、泣きながら車いすに乗って
院内を移動したのを今でもよく覚えています。
当時は、こんなつらい思いをしてまで
トロンボーンが上手くなりたいんだよなー!自分すごいなー!
と自らを励ましていました。

術後、楽器が吹けない状態にパニック

退院して2週間ほどは楽器は吹けませんでした。
ですが、主治医の先生から、
口の筋肉を元に戻すためにリハビリをすぐに始めましょう!
と言われ、楽器を吹くことに・・・。

およそ2か月ぶりに楽器を出しました。
(歯列矯正ワイヤーが入っています)

そのときは「あれ?楽器の組み立て方、これであってたっけ?」から始まり
マウスピースに口を当てて音を出してみようとするものの、
「え!音が出ない??!」とパニック状態に^^;

おそらく、手術したことにより
前のアンブシュアとは変わってしまい
身体が上手く反応しなかったのだと思います。

何度か吹いているうちに、思い出したのか、音はなんとか出せました。
初日はトロンボーンを手に持って構えるための筋力すらも衰えてしまい
5分も吹けなかったと思います。
音大1年の後期が始まったばかりの当時、
音が出ないのに音大にいる私ってなに?
とかなり自暴自棄になりました。

5分も吹けない→1か月後、2時間吹けるように!

初日に5分も吹けなかった私ですが
音大では後期試験が迫っていて、曲を1曲仕上げなければなりません。
しかもその試験の結果で、翌年のオーケストラの乗り番が決まる、
大切な試験でした。


焦る気持ちがある中、一旦落ち着き
今できることは何か、立ち止まって考えました。

そして、後期試験に向けて
まずは2時間練習できるようになる!と決めて
1日5分ずつ吹く時間を延ばすという目標を立てました。

5分、10分、15分、20分・・・そんなふうに毎日痛みに耐えながらも
リハビリを重ね、1か月後には2時間休まずに練習ができる自分がいました!

そして迎えた後期試験では、矯正中にもかかわらず
1曲を仕上げて演奏することができ
その試験の結果で、翌年念願のオーケストラにも乗ることができました!

なんで、そんな辛いことを乗り越えられたのか?と
今考えると、目的が明確にあったからだと気づきました。

私は矯正が外れて自由に吹けるようになったら
「トロンボーンや音楽を通して、
社会貢献できる音楽家となり、
その想いをたくさんの人に届けることで
人々の生きるエネルギーとなる!」

そんな想いとしっかりつながっていたからこそ
辛い練習の日々も乗り越えられたのです。

そして、励ましてくれる先生やたくさんの先輩や仲間がいた!
一人孤独に頑張るのではなく
悩んだら話を聞いてもらったり、アドバイスをもらって
一緒に前に進んでいたからだと感じます。

誰かと比較してた

当時の私は歯列矯正をしたり、手術をすること自体が
とても恥ずかしくて、人に言えないような出来事でした。


なぜなら、他の人は手術などしなくとも
自然なままで楽器が吹けてとてもうらやましい。
そんな思いがずっとあったからです。

そうやって誰かとずっと比較して
自分自身を傷つけてきた
のだと思います。

でも15年ほどの時が経ち、
今こうして自分の体験談を書くことは
きっと同じように悩んでいる、あなたに届けることができ
寄り添えるのだと感じています。

また、あの手術を乗り越えたからこそ、
ドイツ留学でもたくさんの困難を乗り越え
たくさん吸収できたのだと思います。
痛みと挫折に耐えてくれた自分に
今では心から感謝です。

今回は矯正中の体験談を書きましたが
また次回、矯正後の体験談もお届けしますね♪

大好きなトロンボーンを楽しく吹いて、もっと上手くなりたい!
そんなときに歯並びや骨格で悩んでいて
自分の壁を乗り越えられない・・・
どうしよう・・・とお悩みのあなた!

ぜひお気軽にご相談ください♪


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ドイツ留学経験のある講師があなたのトロンボーン上達を全力サポートします!音高・音大受験、ブランク有り大歓迎!吹奏楽・オーケストラでのレベルアップもサポート。歯並びで長年悩んで手術経験もある私だからこそアドバイスできることがあると思います。上田市・長野市、対面またはオンラインにてトロンボーン、ユーフォニアムレッスンを行っています。

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長野県上田市「トロンボーン教室・グニー」当教室は、木目調の防音と音響を考えた施工がされており、(夫が超絶DIY(笑)をして施工してくれました!)トロンボーンの大きな音も、周りを気にせずに思いきり音出しができます^^♪...

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